イデンα
数えきれない虫の中で、子供たちは最初に接触したのは、おそらくバッタだろう。夏に森や公園に行くと、周りを見ればバッタがあっちこっちを飛んでいる。じっとした方が安全なのに、バッタは人間や天敵の気配を察知したら、よく発達した後脚でぱっとジャンプして、空中に飛びあがり、それと同時に翅を伸ばして滑走し、更に前翅と後翅を摩擦して「キチキチ」の音を出す。まるで「ここにぼくがいるよ」と言っているかのようで、居場所が完全にばれてしまう。こういう大げさに逃げようとする性格のおかげで、子供でもバッタを簡単に捕ることができる。つまりバッタは虫捕りの入門編であり、なんの準備をしなくても楽しむことができる。
バッタには、草むらのある乾燥な環境に生息し、十万近い種類があると言われる。バッタの身体構造は、生物学の知識を持たないぼくには説明することが難しいが、写真を見ればすぐ分かる。普段、種類の多い生物には、自然にさまざまな違いが認められるものだが、バッタの場合、体の色と体つきのパターン以外には、他の違いはほとんど見られない。緑色と褐色の組み合わせで、迷彩服みたいな保護色だ。観察力の強い人間にはまったく通用しないのだけど。右の写真は、堂々たる姿をもつ「ショウリョウバッタ」というバッタの一種だ。他の種類のに比べて、身長は高く、風格があって、ぼくにはバッタのキングに当たる存在だ。そんなに珍しいものではないけど、ぼくが大好きなバッタだ。
つぎに、バッタの捕り方を説明しよう。まずは、バッタを見つけたらその周囲を十分に注意を払う。ジャンプして手が届く距離まで、できるだけ静かに移動する。気づかれて失敗したら、その着地ポイントを狙い、繰り返せばいい。理想の場所に着いたら、両手をバッタに被せるように広げ、ジャンプして後から飛びつく。最後にバッタの頸部を二本の指で押さえ、逃がさないようにする。
一般的に、草食性のバッタは人に無害だから、勇気を出して捕えてやろう。しかし、蝗害といって、バッタによる災害が起こる。それは、大勢のバッタがまるで雲になるように襲ってくることだ。農作物を全部食い尽くしてしまう。そのため飢饉になり、被害がたくさん出てくる。まるで「進撃の巨人」というアニメのストーリーのようなもので、人類対バッタ巨人との戦いだ。さあ、少年たちよ、黒っぽいバッタを捕りたまえ。あっ、今はまだ冬だ……
ピー・エス:ぼくは、カナダに十年以上住んでいるけど、バッタは一匹しか見つけたことがない。黒くてきらきらの斑点のバッタだった。非常に珍しいと思う。運命を感じてしまったのに、鉄網が包んだ鉄道の向こうへ飛んで行っちゃった!