ジョン
これまでのブログは、時代劇に関することを書いてきた。しかし、時代劇の中にさらに他の小さなジャンルが入っている。中でも「チャンバラ」というジャンルは、アクションを中心にする時代劇である。今週の作品「ストレンヂア無皇刃譚」はその代表作だ。
チャンバラ映画の名前は、日本語の擬音から出来た。その音とは、互いの剣の衝突で聞こえる「チャンバラ!」だとされる。「チャンバラ」という言葉は今度の作品にじつに相応しいと思う。なぜかというと、これほど楽しくて上品なチャンバラはいままでけっしてなかったからだ。
ストーリはなかなか普通だ。一人の少年が悪いやつらから逃げながら、偉い浪人と出会い、それでこの二人の物語が始まる。ただ映画はそこで終わらない。少年は一匹の犬を連れ、浪人は暗い過去をもつ。まさか!確かに月並みの映画に過ぎないが、しかしこれは絶対にそうではない。「ストレンヂア」の月並みは一味違う。それには訳があった。
それで、その訳を見てみよう。典型的なキャラクターやストリーは別に悪くない。ただ、上手に伝えなければならない。それは浪人の「長瀬智也」(ながせともや)と少年の「知念侑李」(ちねんゆり)に頼るほかはない。二人の性格には人を惹き付けるものがある。
この作品がどういう映画かは最初の場面からすぐに分かる。「良い映画」、「素晴らしい映画」である理由はただ一つ、それはつまり、これは現代のアニメ映画だからだ。
そう、現代アニメこそその秘密だ。実は「ストレンヂア」みたいなアニメ映画は日本にそう多くない。アニメ映画は普通、「ワンピース」のような少年テレビアニメから生まれる。だが「ストレンヂア」は特別だ。日本の伝統的なチャンバラ映画と現代的なアニメの特徴とを合体させるのが、どれほど芸術的な出来事か、映画を見ないと分からない。「妖獣都市」から20年、アニメはその間にここまで成長できた。その結果、「ストレンヂア」の戦いの場面は信じられないぐらい詳細だ。「今、いったいなにが起こったか」と、リアルで、目を疑うほどだった。
「ストレンヂア無皇刃譚」はチャンバラの全ての特徴を発展させ、チャンバラでいてチャンバラを超えた映画だ。傑作とは何かを知りたければ、ぜひ一度見てください。
感動しました。
返信削除ラストの締めの2行が、実に的確に”ストレンヂア”の魅力を伝えている。
返信削除素晴らしい。
この作品がいかに凄いことをやってのけた映画であることが、判る人が少ないのが大変残念です。