イデンα
もしぼくたちは虫だったら、突然巨人のような天敵に襲われたとき、逃げるのだろうか、それとも戦うのだろうか。ほとんどの昆虫の場合、逃げることを選ぶ。しかし、勇者の一族がいる。かれらは自慢の武器を構え、真正面から敵と死闘を繰り広げるのだ。「蟷螂(とうろう)」という彼らの一族は今も生き伸びている。
蟷螂は、「鎌で切る」ということから「カマキリ」とも呼ばれている。細長い体の頂点には逆三角形の頭がある。その下には棒状の上半身があって、長い首ではないかと思われるぐらいである。まるで首を長くして獲物を待っているみたいだ。蟷螂は肉食性で、自身より小さい昆虫などを捕食するが、大きいのを捕食することもある。獲物をしっかりと手に入れるため、武器となる恐ろしい鎌状の前脚を生える。また、蟷螂の成虫は長くて強そうな翅を持っている。普通は威嚇と短距離の飛行以外にあまり使わないけど、戦闘となるとやはり有利だ。それに、緑色や褐色の保護色を持つ。このように、蟷螂は優秀な武器を装備し、退却しない立派な戦士だ。
たいていの場合、蟷螂は花の上や木の幹でじっとして獲物を待つ。そのため、動かない彼らを発見することはあまり難しいことではない。でも、蟷螂を捕る方法は簡単といえば簡単だが、怪我することさえありうるから、決してやさしいことではない。それでも、人は難しいことに挑戦する。蟷螂の後ろからその長い首を二本の指で押せば捕れるはずだ。ただ蟷螂の前脚は長い首にまで届くことができるので、連続の攻撃を我慢するしかない。酷い怪我をする前に、素早く蟷螂を籠のようなものへ移動すれば、大丈夫だ。
子どもの時、ぼくは何回も蟷螂を捕ることを楽しんだ。ある日ぼくは蟷螂を何匹も捕って、全部一つの籠に入れた。食べるものを与えようと、バッタや蝶を捕ってきたが、しかしかれらは死んだ獲物には全然興味がないことが分かった。蟷螂は結構偏食だなあと思った。それから、籠に蟷螂しか入らないのに、蟷螂の数は一匹ずつ減っていた。あの時は理解できなかっただけど、蟷螂が交配する時や食べ物が足りない時に、メスの蟷螂はオスを喰うこともあることを後になって知った。こんな習性があるなんて驚いた。昔見た「天地無用」というアニメのオープニングテーマを思い出した。「本当の目的は男に気づかせずに未来まで奪ってく。女は怖いものよ…下手に動くたびに、上手く騙されてく。働いて吸い取られて死ぬだけ」。どうしてオスの蟷螂は戦うときも交配するときも無駄な犠牲を恐れないのだろうか、いまでもよく分からない。ぼくはただ、オスの蟷螂が全滅しないように祈っているだけだ。またアジアに行って、彼らを捕りに行きたいからだ。申し訳ない。
ピー・エス:蟷螂の幼虫は、可愛くて、益虫だから、立派な戦士になるまで、傷つけたりしないように見守ってあげてください。