2015年2月1日日曜日

花園の舞い姫

イデンα

中国や日本では、間もなく花見の季節を迎えようとする。花が咲き始める時期には濃厚な花の香りが漂い、それに誘われてチョウ(蝶)や蜂がたくさん集まってくる。大人たちに教えてもらうまま、咲き乱れる花の姿を観賞したりするのも楽しいが、わんぱく坊主だったボクは、花を見たら、許されさえすれば、すぐそれを折ったり、花の上で舞い踊る蝶を捕ったりするものだった。その時のぼくはまさに単純で、花とや蝶を傷つけることなどぜんぜん酷い行動だと思わなかった。それよりもものすごく綺麗な蝶を手に入れて、それだけで素晴らしい思い出が残り、なによりも楽しかった。

entry3a花の美しさに並ぶものは、チョウしかない。その体に比べてとほうもないぐらい大きい翅は、まず不思議な存在だ。どんなチョウでも、いつも魅力的な翼を誇りとし、「外面の美しさこそ大事だ」というこの世界では、大いに役立つものだ。だからこそ、チョウは古今東西、一番人気のある昆虫だ。どんなに虫が嫌いな人でも、チョウまで嫌う人はそもそもこの世にいないだろう。

成虫のチョウは確かに可愛くて無害(無毒だとは限らないから、勝手に食べるようなことをしないでください)だけど、毛虫と呼ばれるチョウの幼虫はまるで別ものだ。変わった形をして、体中に毛や棘が生えていて、毒まで帯びているかもしれない。その上、植物や農作物を食う害虫とされ、ポケットモンスターのようなゲームの世界じゃないから、こんな化け物が好きになる人は絶対におかしい。更に幼虫から脱皮して蛹になると、時々体やお尻をゆすって動く。見るだけでぞっとする恐ろしいものだ。とりあえず、完全なチョウになるまで、この虫から目を逸らしたほうがいいと思う。

しかし、害虫だった毛虫はいずれチョウになる。大いに嫌われる草食性もその恐ろしい姿も共に消えてゆく。代わりに、チョウはそっと花びらに止まり、花の奥にある甘い蜜を長いストローのような口先で吸いはじめる。完全に無害になるのだ。それだけではなく、チョウは花たちの仲人役を務め、花から花へ、体に付いた花粉を運び、花の受粉を手伝うようになる。つまりチョウになった後半の生涯は花たちの世話をすることによって、その前半の生涯の罪を償っているのだ。まったくいじらしい虫じゃないだろうか。

もしチョウが捕りたいなら、バッタの捕り方のようになんの道具もなくても捕れるはずだ。しかし、チョウの美しいところはその翅を覆っている鱗粉にあるのだから、もしそれに手を付けてしまったら、チョウの価値もその生存率もぐんと下がってしまう。こういう場合、専用の網を使えば、チョウを傷つけないように捕ることができる。でも、今のぼくは、チョウを捕ることをお勧めできない。いまのカメラはすごいから、チョウが好きなら、代わりに写真をいっぱい撮って十分だろう。

ピー・エス:カナダに住んでいるぼくの庭にはラズベリーの果樹が何十本もある。毎年七月になると、その木には花が咲き、時々チョウが飛んでくる。チョウの色は、紫、ピンク、白い、黄色と、さまざまだ。今のぼくは彼らの邪魔を絶対にしない。素晴らしい眺めなのだ。

3 件のコメント:

  1. チョウって美しいですね。外でチョウを見ると、「あ、もう夏が来た」と思います。ところで、イデンαさんはチョウを捕ったことがあるんですが、捕ってから、針でチョウを紙に留めて、収集しますか。私はそういうことをしないけど、ある人としてそれは趣味ですね。その代わりに、ああいう人はどう思いますか。

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    1. ぼくはそういう収集したことは一度ない。ひどいと思うから。代わりに、できるだけ、ぼくは取った昆虫を育ててあげる。
      やりたいなら、昆虫採集の本を読めば分かると思う。

      イデンアルファ

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  2. チョウの生涯には二つの段階があることには気づきませんでした。人間中心の考えではありますが、害をもたらすものから有益な昆虫になるというシナリオには、不思議な魅力を感じました。

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