ジョン
日本映画の男優には、市川雷蔵(いちかわらいぞう)みたいな美男子がたくさんいる。それは日本での人気をますます高いものにしたと思う。しかし、日本の伝説的な男優には、違う姿もある。今週の作品は、市川の「眠狂四郎」(ねむりきょうしろう)と同じく剣士ものだけれど、性格的には反対である。それに市川と違って、現在の日本人に聞いたら、きっとみんなキャラクターや俳優の名前を知っている。なぜなら、この映画の場合、俳優と映画の中の人物とは、正宗の刃で切っても二つに割らない。それは、勝新太郎(かつしなたろう)の有名な盲目按摩師のストーリー「座頭市物語」だ。
1962年に公開されたこの作品は、同じ「大映」の映画「眠狂四郎」より一年前に作られた。ストーリーは「用心棒」によく似ている。知り合いの親分に会うために、市は知らない町へやって来た。実は、この親分はとなりの一味に企みがある。でも、市はやくざであはあるが、悪党ではない。かれのやくざとしてのモットーは、「言いようのない名誉」だ。それで、盲目という不利な立場に置かされていながらも、人に気づかれないうちに、まわりのことが全て分かっている。市との劇的アイロニーは作品の魅力だ。
「座頭市物語」のアクションは面白い。監督の三隅研次(みすみけんじ)は他の監督に比べて、立場はしっかりしていると思う。その理由は二つある。「アクションはストーリーに相応しい」、「アクションに力がある」。作品はとても楽しいが、アクションが起こると、カメラが動き出して、本当に「平和が破れた!」との感じがする。他に、勝の剣術の演技はすごい。剣を抜く場面が来たら、誰も市の腕を疑わない。その動き方や妙な剣術は、間違いなく座頭市のイメージそのものだ。
勝新太郎の演技や眠狂四郎のイメージは日本映画の伝統の一つを作った。この作品をもって、勝新太郎と眠狂四郎という二人の伝説が出来上がった。彼らの事をもっと知りたければ、ぜひ「座頭市物語」を見てください。
0 件のコメント:
コメントを投稿