2019年2月7日木曜日

季語

蘓誕

俳句にはせめて一回挑戦してほしいので、今日は不可欠な「季語」を紹介し、それぞれの季節を代表する季語をお教えします。和歌というテーマからすこし外れると知りつつ、かなり大事なので、今週はちょっと脱線させていただきます。

先週の投稿をお読みになったら、季語のことが気に留めていただけるはずです。季語は、読者に背景を伝え、大事な季節(自然)を表すものです。季語が欠くと俳句だと呼べない、俳句の魅力もそもそも持たないと私は思います。私はぶらぶらしながら川の流れや鳥のさえずりを聞いたり、はらりと降る雪と周りを濡らす雨を見たり、日の当たりを感じたりして、知識の限りその気持ちを俳句にしようとします。自然の美しさや瞬間の感情を言葉にすることができれば、なぜ昔の日本人がそこまで俳句が好きだったのか分かると信じます。挑戦したらいかがでしょうか。

種類が様々あるのですが、最も使いやすくて想像しやすい動物や植物などの言葉をメインにしました。生活や行事の言葉も含まれます。

現在は真冬なので冬から始めましょう。


初詣(行事)、年が明けてから初めての参拝
笹鳴き(動物)、地鳴りの声。冬に人里に入って餌を求めるウグイスなど
霜枯(植物)、草木が霜で萎んで枯れること
龍の玉(植物)、蛇の髯の実(秋から冬にかけてついている果実)
冬桜(植物)
霜焼、凍傷を指す


熊穴を出づ(動物)、冬眠から醒めて洞窟を出る熊
亀鳴く(動物)、亀は鳴かないが、冬眠を終えた生き物が目覚める様子を昔から「鳴く」と表現された。
凍解(地理)、凍った土が春暖で溶けること
落とし角(動物)、初夏の前に生え変わるため鹿は角を落とすこと
呼子鳥(動物)、鳴き声が聞こえるが、何の鳥かわからない
山笑う(自然)、青々と育つ木、咲いてる花がたくさん見える様子


炎風(天文)、暑い風
草茂る(植物)、伸びて密集した草の様子
青嵐(天文)、初夏の葉っぱを揺らす強い風
薔薇、rose
梅干し(生活)、初夏に行う梅の仕込み。
牡丹、Paeonia
時鳥(動物)、俳句における代表的な鳥。Cuckoo.
蚊(動物)、血を吸う虫。


紅葉(植物)、赤く色づく葉っぱのこと
トンボ(動物)、dragonfly
鈴虫(動物)、bell cricket
猪(動物)、wild boar
萩(植物)、Japanese clover(写真) 芋(植物)potato
瓜(植物)、melon
秋風(天文)、秋に吹く涼しい風
霧(天文)、煙のように見える細かい水滴が集まった現象

言うまでもないことですが、日本の生態はカナダのとは全然違いますので、上記の動物や植物は目にすることはありません。なのでカナダで俳句を書く際、カナダの四季を象る言葉を使ってみてください。

最後、私たちはたしかに日本人ほど日本語の言葉を知っていません。俳諧師が数百年も使った季語を知らなくても、知っている言葉で季節を表したらいいと思います。しかし本格的俳句を詠みたい場合は、正しい季語を調べ、それを覚えておかなければなりません。

1 件のコメント:

  1. カナダだったら「ダイヤモンドダスト」とか季語になりそうですね(^^) オーロラはいつでも見られるんでしたっけ?

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