今週の話題は美しい詩ではなく、「万葉仮名」。先週、すこし触れたので、その難しさを語っておくべきだと感じました。
まず先週載せたスサノオノミコトの歌をあらためて見てみましょう。
夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁
皆さんご存知の通り、中国から漢字を学ぶ前には、日本人は書くことができませんでした。現代使われている仮名(かな)が出来上がったプロセスは意外と長かったです。日本語学習者から見れば、漢字もひらがなもカタカナもあるというのはかなり面倒ですが、実際は「万葉仮名」が使われた時代の日本語より断然読みやすく分かりやすく書きやすいです!
万葉仮名は名前の通り「仮りの名」ですが、音節を表記するために漢字を借用しました。もし、それぞれの一音節に当たる漢字が一つだけなら覚えやすかったと思いますが、そんな簡単なものではありませんでした。
例えば、「し」と読む字は:
詩、死、氏、師、市、士、史、誌、支、思、姿、司。。。
そのため、「し」と読むには山ほど多くの漢字を覚える必要がありました。
上記の詩を分解して、いま普通に使っている漢字や仮名に置き換えてみましょう。
夜→八(や)
久毛→雲(くも)
多都→立つ(たつ)
伊豆毛→出雲(いづも)
夜幣賀岐→八重垣(やえがき)
都麻碁微→妻籠み(つまごみ)
爾―>に(助詞)
都久流→つくる(作る)
曾能→その(指示詞)
袁→を
歌の内容はすでに先週の投稿に書きましたのでそちらをご覧ください。
この場合は漢字をすべて仮名として使っているので比較的読みやすいです。単純にそれぞれの漢字を万葉仮名に置き換えて読めばいいです。ですが、漢字と万葉仮名を混ぜて日本語を書くことも可能で、それでだいぶ大変になります。
新年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰
新→新しき
年 そのまま
乃→の
始→始め
乃→の
残りを挑戦してみませんか?
ねぇ、蘓誕くん。僕の届いた友チョコは郵便制度で無くなったのか。返事してくれない?
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