2015年11月12日木曜日

温度差エネルギー

ボ2ー

前回は雪などの特性を利用するエネルギー(雪氷熱利用)を紹介しました。今回は、色々な熱源を利用する再生可能エネルギー---温度差エネルギーを紹介しましょう。

en9-3温度差エネルギー(または温度差熱利用(おんどさねつりよう))というのは、気温、水源、廃水、地熱、工場の排熱などの熱からエネルギーを得ることです。今、この技術の主な利用方法には三つあります。一つはヒートポンプ、一つはクローズドサイクル型海洋温度差発電、もう一つはオープンサイクル型海洋温度差発電です。

ヒートポンプという技術はガスの拡張性(かくちょうせい)と収縮性(しゅうしゅくせい)を利用することです。閉じ込められた空間の圧力が上がれば、その空間の温度は上がり、逆に圧力が減れば、温度は下がります。この原理から、圧縮機(あっしゅくき)の中の冷たい気体を圧縮して高温ガス(蒸気)にし、この熱は給湯などに利用できます。そして、この蒸気が減圧され、冷たい空気に転換されれば、機械の温度を調節できます。冷たい気体は圧縮機に戻り、循環されます。加温と冷却(れいきゃく)の過程(かてい)で温度差エネルギーが生まれます。

クローズドサイクル海洋温度差発電とオープンサイクル海洋温度差発電は同じような技術ですが、オープンサイクルは直接に海水を使い、クローズドサイクルは低沸点物質(ていふってんぶっしつ、エタノールなど水の代わりになるもの)を使います。海洋表面の水は太陽光を吸い取り、温度が海底の海水より高いです。発電の仕組みの蒸発器(じょうはつき)は低沸点物質か海水を沸かして、蒸気を作ってタービン発電機を動かします。この熱い気体は、水面下200メートル以下に送られ冷却されます。そして、蒸発器に戻ります。

実は、温度差エネルギーは発電だけではなく、海水を淡水に転換することもできます。蒸発器で水が沸かされて蒸気になります。その蒸気を集めたら、淡水が出来ます。もしこの技術を実用できれば、温室効果ガスの排放を止めるだけじゃなくて、世界の淡水不足の問題にも一つの解決がもたらされます。

2 件のコメント:

  1. 相変わらず面白かったですね。これまで、このサイクルデザインについてことはありませんでした。この研究をする時、社会がこのエネルギーを守るべきだと思いますか? このようなエネルギーのことを読む時、私は、大切さを無視すると、問題があるかもしれないと思います。問題を止めるための解決について読んでから、「大切だそう」と思いました。今回のエントリーはよく書きました。

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  2. 今回の話題はすごく興味深いです。同時に電気と淡水を作れるのはすごくいいと思います。詳しい情報がないんですからこの技術はどこまで使えるかわかりません。淡水を求めるところは多いんですからオープンサイクル海洋温度差発電の方は重要だと思います。

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