2017年3月28日火曜日

運命、それとも言訳

円環の理

こんにちは。皆さんは宿命論という概念を知っていますか。哲学的に述べると、宿命論とは世の中の出来事がすべてあらかじめ定められていて、人間の努力では変更できないという考え方です。運命は変えられないということです。今週のブログは「ひぐらしのなく頃に」という作品を分析して、宿命論についての理論を話します。

「ひぐらしのなく頃に」の舞台は、人口2000ぐらいの寂れた村落雛見沢村です。村には「綿流し」という古い因習が伝わります。しかし、今年の綿流し祭りに怪死・失踪事件が続発しました。主人公古手梨花はこの連続事件の被害者でした。しかし、梨花は他の被害者と違います。彼女は時間をコントロールする事ができます。そのため、死んだ梨花は、時間を一ヶ月前に戻します。梨花は百年もかけてそれを繰り返し、自分の死を避けようとしました。彼女は自分の死が運命だと思いました。しかし、オヤシロ様という神様のお陰で、この運命は変えられました。梨花は運命が分かっていながらも、最後まで戦いました。彼女は自分が最終的に運命にうち勝つと言いました。

皆さんはこの物語をどう思いますか。運命は変えられますか。私はそう思っていません。先に書いたとおり、運命は人間の努力で変更できるものではありません。皮肉なことに、梨花の運命はもともと生きるという事です。百年でも千年でも、結果として変えるものなら、それは運命ではありません。梨花の努力はただ運命の過程です。私は文学のクラスを取った時に、似たような物語をたくさん読みました。努力さえすれば、不可能の事でもきっと可能になる、運命に勝つ事も可能だ、と思うのは、人間の愚かなところです。知らないことをどうやって変えるのでしょうか。人間は過去に戻れないし、違う結末も知りません。何故自信満々に運命を変えられると言えるのでしょうか。

このような結論は敗北主義ではありません。むしろ逆に、運命を知ることはできませんから、人間は努力しなければいけません。本当の運命に達するまでに、諦めないで下さい。梨花は百年千回かかって、自分の死亡を避けました。私たちも偽物の運命の前で諦めてはいけません。私は死ぬまで百回も千回も人生の本当の運命を探しつづけます。

2 件のコメント:

  1. 円環の理さん、運命を信ずますか。私が信ずませんが、おもしろい思想です。

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  2. 運命は運命ですが、私にとって努力で運命が変えられると思います。
    梨花の事情に入ったら、どうしようと思いますか。

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