「鳴らして」(春ねむり)

Your every-day became warped, pierced in a dream and left to bleed out
朝は真っ赤に腫れ上がる あんなに痛かったはずなのに
In the morning, it swells blood-red, it must have hurt so much
現実閉ざされた部屋スリーアウトチェンジ しょうもなかった恋に腫れ上がる
In a room shut out from reality, Three-Out Change, that petty love swells up
あんなに愛してたはずなのに 引きちぎれそうなの
And even though it grew so big, it seems you’ve ripped yourself away
中途半端な不感症 中途半端なファンタズム
A half-formed fantasy, a half-formed phantasm
中央線飛び込めなかったよってきみは泣かない
A half-way suicide you couldn’t complete, why won’t you cry?
鳴らして いますぐ鳴らして
Ring out, ring out now
きみの涙も きみの毎日も 全部詰め込んでいますぐ鳴らして
Take even your tears, your everything, cram it in and ring out now
ディストーション きみのいのちをいますぐ鳴らして
Distortion, ring your life out now
ディストーション ぼくと分け合った心臓で脈を打って
Distortion, feel the heart we shared throbbing
ディストーション 光ったいま いま 一瞬を掴んで
Distortion, let it shine right now, right now and seize this moment
ディストーション ぼくと分け合った心臓で脈を打って
Distortion, feel the heart we shared throbbing
歪んだのはぼくらのこの街 生活をひとつずつ持ちよって隠したネオン街
Our town became warped, one-by-one our lives concealed in a neon city
夜を照らして見えなくなったブラックホール
At night it shines, we never saw the black hole
中途半端な不感症 中途半端なファンタズム
A half-formed fantasy, a half-formed phantasm
中央線飛び込めなかったよってきみは泣かない
A half-way suicide you couldn’t complete, why won’t you cry?
鳴らして いますぐ鳴らして
Ring it out! Ring it out now!
いますぐ鳴らして いますぐ鳴らして
Ring it out now! Ring it out now!
ディストーション きみのいのちをいますぐ鳴らして
Distortion, ring your life out now
ディストーション ぼくと分け合った心臓で脈を打って
Distortion, feel the heart we shared throbbing
ディストーション 光ったいま いま 一瞬を掴んで
Distortion, let it shine right now, right now and seize this moment
ディストーション ぼくと分け合った心臓で脈を打って
Distortion, feel the heart we shared throbbing
Distortion x 20
鳴らして いますぐ鳴らして
Ring it out, ring it out now
鳴らして いますぐ鳴らして
Ring it out, ring it out now
翻訳ノート:
日本語を英語に文字通りに翻訳することはできない(まあ、できないこともないけど)。何かを翻訳する時、僕が一番大切にしていることは、作家が伝えたいのは何かです。もちろん日本語の歌詞が分からないといけないけど、もっと大切なのはその歌詞が自分に考えさせてくれることです。例えば、本を翻訳する場合は、その本を読みながら自分の想像したことから翻訳する。確かに文字通りに翻訳するアプローチもあるでしょうけど、それはあまり好きじゃないです。歌の場合、その雰囲気を保つのは本当に大切ですよね。だからこの歌を翻訳している時、何回も聞きながら翻訳しました。
もう一つの注意点。他動詞を自動詞に翻訳することです。そうすると、主語がなくなります。例えば、誰かの英訳で、「鳴らして」は「your life rings out」とされました。それは大きいな間違いです。英語で「rings」は自動詞で、歌詞の意味が歪んでしまいます。そして、歌の主語の「君」が消えてしまいます。残念。
難しいですが、この歌にはそのような箇所がたくさんがあります。一番難しいのは「あんなに___はずのに」。確かに英語で「ought to have…」とか「supposed to…」 などの言葉が相当するかもしれません。でも、あまり美しいとは言えない翻訳になってしまいます。その他は「不感症」という言葉。この英語の訳はありません。辞書には「sexual frigidity」 と出ていますけど、そう訳すと非常に変で下品な歌になってしまいます。それと、「中央線飛び込めなかった」という部分はすごく難しかったです。前の二行で「中途半端」を繰り返していたけど、「中央線」は一斉に前の音を続けて、前と全然違う意味を持っています 。このような問題を抱えながら、翻訳してみました。
今週は歌詞とコメントの両方を書きました。ここで終わりにします。来週もよろしくお願いします。